物語
Stories
自然が都市に戻ってくる瞬間を追いかける物語集 — Chronicles of nature quietly reclaiming urban space, told through the people, places, and plants of Tokyo.
シリーズについて
Notes From a City
Learning to Grow Again
Stories(ストーリーズ)は、Electric Leaf Labが東京の各地を歩きながら記録している連載企画です。歩道橋のすき間から芽吹く緑、ビルの谷間に置かれた小さな庭、ファサードを覆う植栽 ── そこに関わる人々の声とともに、都市と自然が再びつながっていく過程を伝えます。
Each story follows a place, a plant, and the people who tend it — a slow-growing record of how greenery is finding its way back into the fabric of the city.
都市に還る森
A Forest Returns to the City
渋谷の外れ、使われなくなった高架歩道橋がある。かつて人と車をつなぐためだけに存在したこの構造物は、十年の歳月をかけて、いつしか鳥や虫、名もない草花が行き交う小さな森へと姿を変えていた。私たちがこの場所を初めて訪れたとき、コンクリートの継ぎ目から伸びる一本の若木が、まるで都市そのものに問いかけているように見えた ── 「この場所は誰のものか」と。Electric Leaf Labはこの歩道橋を定点観測し、季節ごとの変化を記録している。人の手を離れた空間が、いかにして自らの生態系を築き上げていくのか。そこには、私たちが庭をデザインする際のヒントが数多く眠っている。
An abandoned elevated walkway on the edge of Shibuya has spent a decade quietly becoming a forest. We've been documenting its seasonal transformation — a lesson in what happens when a city stops managing a space and lets it manage itself.
See the Photographs神宮前の庭
A Garden in Jingumae
Electric Leaf Labのラボには、小さな中庭がある。設計の際、私たちは「完成させない庭」という一つの矛盾したテーマを掲げた。四季を通じて植物が自由に伸び、時に刈り込まれ、時に放置される。その揺らぎ自体をデザインの一部として受け入れることで、庭は年々表情を変えていく。この中庭は単なる装飾ではなく、私たちがラボで行う実験の縮図でもある。光の入り方、風の通り道、苔の広がり方 ── すべてが次のプロジェクトのための観察対象だ。訪れる人々は皆、ここで少し立ち止まり、深呼吸をしてから仕事に戻っていく。
The studio's own courtyard was designed around an idea of "never finishing" — letting the garden shift with the seasons instead of being fixed in place, so it stays a living experiment rather than a static backdrop.
More About the Studio
ファサードの緑
Green on the Facade
表参道にほど近い商業ビルのファサード緑化プロジェクトは、当初「見た目を整える」ための依頼として始まった。しかし工事が進むにつれ、建物のオーナー、近隣の店主、通りを行き交う人々の関わり方が少しずつ変わっていった。植物が壁面を覆うごとに、道行く人々が足を止め、写真を撮り、時には店員に植物の名前を尋ねるようになった。単なる装飾を超えて、ファサードは近隣コミュニティの新しい接点になったのだ。竣工から一年、私たちは定期的にメンテナンスに訪れているが、その度に周辺の空気がわずかに変わっていることに気づかされる。
A facade greening project near Omotesando began as a request to "soften the look" of a building — but as the planting grew in, it quietly reshaped how the neighborhood gathered around it.
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